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結婚を機に、ご夫婦とお母様、猫ちゃん1匹で暮らす新居を建てることになった境港市N様。
ご主人は、バイクなどを楽しめる趣味のスペースと家庭菜園のできる庭。奥様は、壁紙や色使いまでこだわったインテリア。そしてお母様にも、これまでの住宅づくりの経験を生かしたさまざまな希望がありました。
一方で、家づくりには当然予算があります。
「誰かの希望を削る」のではなく、3人が大切にしたいことを整理し、できない場合にはイメージに近い方法を探す。その積み重ねから生まれたのが、中庭と吹き抜けを中心に家族がつながりながら、それぞれの時間や趣味も楽しめる住まいです。
N様邸の家づくりでは、最初から一つの完成イメージがあったわけではありません。
ご主人は趣味の部屋や庭、奥様は色やデザイン、お母様は間取りや素材など、それぞれに譲れないポイントがありました。
そこで大切にしたのが、「できる・できない」で終わらせるのではなく、希望の背景まで聞きながら、予算とのバランスを取っていくことです。
例えば、お母様が希望されていたリビングの無垢材は予算との兼ね合いから、イメージに近い風合いの合板へ。単純に仕様を落とすのではなく、求めていた雰囲気をできるだけ残す方向で調整しています。
奥様がこだわったキッチンカウンターも、既存色から選ぶのではなく、室内の白とグレーのトーンに合わせて色を調整。巾木まで色を合わせるなど、空間全体の統一感を整えました。
「全部をそのまま採用する」ことと、「理想の暮らしを実現する」ことは必ずしも同じではありません。
N様邸では、一つひとつの希望について「何を大切にしたいのか」を確認しながら、住まい全体へ落とし込んでいきました。

住まいの中心になったのが、お母様の希望でもあった吹き抜けのあるLDKです。
建物をコの字型に配置し、その内側に中庭のウッドデッキを設けました。リビングの大きな掃き出し窓を開けば、室内からウッドデッキ、庭へと空間が続きます。
キッチンに立ったときにも、リビングだけでなく中庭や庭まで視線が届きます。
キッチンからの視線
キッチン → リビング → ウッドデッキ → 庭
今は家族の様子を感じながら家事ができ、将来子どもが生まれたときには、室内や庭で遊ぶ姿を見守れる間取りです。
さらに、中庭側の外壁だけを白くしたのもポイント。黒を基調とした外観の印象は保ちながら、中庭では光を反射させ、LDKの明るさにつなげています。

家族がつながることを大切にする一方で、N様邸では近すぎないことも間取りに反映されています。
中庭の東側にあるのがお母様の居室です。
リビングや中庭と近い位置にありながら、お母様が一人で静かに過ごす時間を尊重し、中庭側には室内が見えるような大きな窓を設けませんでした。
その代わりにつくられたのが、猫ちゃんがウッドデッキと行き来できる小さな窓です。
家族は近くにいる。でも、いつも互いの姿が見えているわけではない。
二世代で暮らすN様邸では、吹き抜けや中庭で「つながる場所」をつくる一方、お母様の居室では「離れて過ごせる場所」も確保しています。

将来の暮らしまで決めつけず、使い方を変えられるようにしているのもN様邸の特徴です。
2階には、将来的に子ども部屋として使う予定の洋室を用意。今は一つの広い空間ですが、必要になったときには間仕切りを入れて2部屋にできます。
吹き抜けに面した2階ホールも、用途を一つに限定していません。
現在は本棚を置いたブックコーナー。電源も用意されているため、将来はご主人のワークスペースや子どもの宿題スペースなど、その時々の暮らしに合わせた使い方ができます。
「将来必要になるかもしれない部屋」を最初から細かくつくり込むのではなく、今は広く使い、必要になったときに変えるという考え方です。

ご主人が家づくりで希望していたものの一つが、趣味を楽しめるスペースでした。
そこで設けたのが、ガレージ側と家族用の土間側、両方から出入りできる物置です。
趣味・帰宅動線
ガレージ側 → 物置 → 家族用土間 → 室内
物置にはバイクのほか、メンテナンス用品、釣り道具、スポーツ用品、ゴルフクラブなどを収納。壁にはOSBボードを使い、フックや棚を取り付けながら使い方を変えられるようにしています。
屋外で使う物を、毎回居住スペースの奥まで持ち込む必要もありません。
玄関そのものも、来客用と家族用の二つのエリアに分けています。家族側には土間収納を設け、3人分の靴をまとめて収納。来客側はシューズボックスを一つに抑え、すっきりとした空間にしています。

完成後、ご夫婦のお気に入りになったのが中庭のウッドデッキです。
休日にはブランチを楽しみ、夜空がきれいな日には月を眺めながら晩酌。近くに住むご親族のお子様が遊びに来れば、ビニールプールを広げることもあるそうです。
庭では、ご主人が希望していた家庭菜園も楽しめるようになりました。
間取りを考えるとき、LDKの広さや収納量だけを見るのではなく、そこで「誰と、どんな時間を過ごしたいのか」まで考える。
N様邸は、ご夫婦とお母様それぞれの希望を一つずつ整理した結果、中庭で一緒に過ごす時間も、自室で静かに過ごす時間も、趣味に集中する時間も楽しめる住まいになりました。
どれか一つの「正解の間取り」に合わせるのではなく、家族の暮らしから間取りを考えたからこそ生まれた住まいです。
LDKや中庭、キッチン、玄関、ガレージなど、今回の記事で紹介した空間を写真で詳しくご覧いただけます。
3人それぞれの希望をどのように伝え、予算とのバランスを取りながら家づくりを進めたのか。N様ご家族の言葉で詳しく紹介しています。
鳥取県境港市は、海を身近に感じながら穏やかに暮らせるエリアです。スーパーなど日々の買い物に便利な施設があり、子育て世帯にも暮らしやすい環境が整っています。JRや日ノ丸バス、米子空港も利用しやすく、通勤やお出かけにも便利です。休日には、海沿いの公園を訪れたり、境港ならではの海鮮グルメを楽しんだりすることもできます。夢みなとタワーや江島大橋など、地域を象徴するスポットも身近にあり、便利さと境港らしい風景の両方を感じながら暮らせる住環境です。

夫婦で好みが違う。
親と一緒に暮らしたいけれど、お互いの時間も大切にしたい。
趣味の場所も欲しい。
将来の子育ても考えておきたい。
ペットとの暮らしも大事にしたい。
家づくりでは、家族の人数だけ「こうしたい」が出てくることがあります。
人気の間取りに暮らしを合わせるのではなく、まずは今の生活で大切にしていること、困っていること、これから楽しみたいことを整理するところから考えてみませんか?
「全部は無理かも…」と思っているご希望も、優先順位や方法を変えることで、別の形で実現できる場合があります。